寺門をくぐる時、縦と横の比率つまりアスペクト比はいくらだろうとよく思う。テレビは16対9、アイパッドは4対3だ。肉眼と記録された画像の違いは画角の有り無しだが、門はある意味画角である。門の向こうに見える風景はいつも無意識に画角の中にある。すなわち、寺門の多い街に暮らす人は、画角比を自然に学び、風景を画角で切り取るセンスに満ちている。
そして、寺門から見える風景のおもしろさでは、北鎌倉の円覚寺(えんがくじ)が群を抜いている。円覚寺は、およそ720年前に建立された鎌倉五山第二位のお寺だ。地面を掘っていたら、 「円覚経」という経典が出土したことから円覚寺と名付けられたという伝説がある。鎌倉特有の谷戸(やと)に沿って建てられていて、総門、山門から見える景色は円覚寺ならではのものだ。
円覚寺の見どころは、国宝・舎利殿(しゃりでん)だ。屋根のカーブが美しい。そして、国宝・洪鐘(おおがね)の大きさ(高さ259.5cm)にも注目だ。
歴史的人物・北条時宗公のお墓もあるが、映画監督の小津安二郎氏をはじめ松竹系の俳優たちのお墓も多くある。映画こそまさに画角の中にある芸術。円覚寺は、映画を愛する人々に愛されているお寺でもある。円覚寺はJR北鎌倉駅の改札口を出たらすぐ。
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